Boad Game Cafe & Office SUNNY BIRD

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お知らせ

国営化してタダ乗りするのか、させるのか!?『フリーライドUSA』

2024.12.06

商品

フリードマン・フリーゼ2024年の新作第二弾がギリギリ年内に間に合いました!!

 

(追記:2024/12/7)

『フリーライドUSA』の入荷日程が確定しまして、先行販売およびお取引先様での予約開始が12/10からに変更できそうです。
同じタイミングで、『エフテーヴェー?!』『ブラックフライデー輸入版』も販売開始します。
また確定次第アナウンスいたします。

 

小箱の『フィッシェン』、大箱の『フリーライドUSA』ということで、今年ドイツで行われた見本市Essen Spiel’24では、この2タイトルが大々的に発表されていました。

 

それではどんなゲームなのか、ご紹介しましょう!

 

フリーライドUSA

1-5人 55分 10歳

 

舞台は1950年代のアメリカです。

鉄道の近代化を進めながら、乗客を運ぶことが目的です。

 

手番で行うことのほとんどは、以下のいずれかです。

線路の敷設

列車の運行

 

こう聞くと名作チケットトゥライドがすぐに思い浮かびますが、そうは言ってもフリーゼ作品なので一筋縄ではいきません。

ん?

あれ?

となる、独自の味付けがされています。

いくつかポイントをご紹介していきましょう。

 

距離とか関係ないシステム

 

乗客を乗せて目的地に連れて行くと得点です。

図:アルバカーキからカンザスシティに行きたい乗客です。

*使用している画像は海外版のモックです。

 

ふーん、

じゃあ、やっぱり遠くの目的地だと高得点なんですよね?

 

いいえ。距離とか関係ないです。

 

!!??

 

そうなんです。このゲームでは乗客を目的地へ連れて行ったら得点なのですが、

どんなに近くても、どんなに離れていても得点は一緒!

じゃあ、近いほうがいいじゃない!ということで、

どれだけ多数の乗客を効率よく運べるか、がポイントになっています。

一方で遠距離の乗客を乗せることによるメリットも準備されているので悩ましいです(こちらは後ほど)。

 

なんと言ってもタダ乗りシステム

 

このゲームのタイトルにもなっている「タダ乗りシステム」!

まず、プレイヤーは近代的な鉄道網を作らなければ移動できないので、各プレイヤーは自分の鉄道を引いていきます。

 

黄「よーし。我が社の鉄道網も充実してきたわい。これで未来は安泰。これから我が社は独り占めでガッポガポよ!」

 

緑「スッ」(黄色の鉄道を国営化します)

 

黄「ああ!!」

 

プレイヤーは、所有者にお金を払うことで、その鉄道を国営化することができます。

国営化した鉄道は、個人による所有権は無くなり、その後、全員が使える国営鉄道になります。

乗客を目的地に届けるには、繰り返し使える路線が必要であり、「自分の鉄道」+「国営鉄道」を上手く通りながら目的を達成していきます。

 

こう聞くと国営化された方にメリットが無さそうに感じますが、、、、、

 

お金=結構高い勝利点システム

 

実はこのゲーム、お金の価値が異常に高いんです。

 

 

ゲーム終了時:

1金=3勝利点

 

ガタッ!!

ボードゲーマーなら良く目にする、ゲーム終了時「余っている5金につき1点」とかそういうのでは全然ないですね。

これはもはや、ただのお金とは呼べません。

 

重たい。

価値が重たいんです(乗客を届けたときの勝利点は1枚5点とかです)。

 

(ゲーム終了時)

緑「ふわははは〜〜〜!黄色の鉄道を国営化しまくったおかげで、やつより多くの乗客を送り届けることができたぞ!きっと凄い点数だぞ〜〜〜!」

 

黄「スッ」(大量のお金ジャラジャラ)

「お金10枚で30点です」

 

緑「!?」

 

つまり、このゲームでは

「他の人の鉄道を国営化して乗客を届けること」

「他の人が国営化したくなるような鉄道を作っておいてお金を稼ぐこと」

の両方に価値があるということですね。

 

お金を消費することで追加のアクションを行えるシステムなどもあり、これまた悩ましいところです。

 

新システム:東西横断ルート

 

(ゲーム終了後)

緑「いや〜、面白かったね。でも遠距離の乗客も、近距離の乗客も、同じ得点っていうのは納得いかないな〜〜。君の路線を国営化しまくったせいで、終盤全然お金が無くって詰みそうになったしね〜」

 

黄「おやおや。忘れているようだね。遠距離の乗客はお金払いが良いんだよ」

 

緑「忘れてたー!」

 

図:カードが置いてある場所を参照ください。ポートランドからボストンのルートです。

 

アメリカの東海岸と西海岸を繋ぐような移動が必要になる遠距離のルートを「東西横断ルート」と呼びます。

乗客がどこからどこへ行きたいのか、というのはカードのめくりで決まるのですが、

この「東西横断ルート」がカード列に現れたら、そこにお金2枚を置きます。

 

「お金2枚!!??」

 

ここまで読んだ方ならこれがかなりの価値を持つということはお分かりだと思います。

しかも、このお金はこの乗客を乗せたタイミングでもらえます。

達成したときではなく、乗せたタイミングで前金でもらえるのです。

 

ただし、乗せられる乗客の数は限られています。

遠距離の乗客を乗せたばかりに、美味しい近距離乗客を乗せられなかった、、ということもあるでしょう。

途中から2組の乗客を乗せられるようになるので、1組は近距離用。もう1組は遠距離用にして、

近距離をバシバシ届けながら、計画的に遠距離乗客を達成するように移動していく、、、なんてことができたら最高ですね!

 

ちなみに電力会社で有名なフリーゼのお家芸「ゲーム中ギアアップシステム」がこのゲームでも上手く使われており、

ゲームの途中から客車が増えて、

最後には列車の移動速度が上がり、

そのころには国営鉄道も豊富になっているのでサックサク移動も可能になっていることでしょう。

序盤・中盤・終盤で確かなギアチェンジを感じることができるのも、魅力のひとつです。

 

番外:色分けって大事

 

前作「フリーライド」は面白いんですが、大きなネックとなったのが、

「どこに町があるかわからない問題」

渋い一色のマップはカッコいいのですが、特にヨーロッパの地名に馴染みがない日本人にとっては、

「え〜〜〜〜〜〜〜っと、ブレーメンってどこだ?・・・・・・・・・・・・・あ、ここか、

で、プラハってどこだ?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、ここか、

てことは、この路線はこのくらいの距離か・・・・・・・」

という感じになりがちでした。

今作のグイ推しポイントとして、カードとマップが色分けされたことがあります(地名も日本語化されています)。

たったこれだけなのですが、視認性・遊びやすさが爆上がりです!

 

*日本語版では、カードとマップの地名も日本語化されています。

 

プレイ感として、意外と大きいのが、

同じ色のカードがめくれたときに、ピカーーーーーーーン!!!近い目的地!!!

という感じで、めくれた瞬間に盛り上がることです。

 

図:近い!大当たり路線だ!

 

極端に重たいゲームではないのに、視認性のせいでテンポが悪くなりがちだった点が、これでグググっと解消されています。

遊びやすさって、ゲームの面白さに大きな影響があるんだなということをひしひしと感じさせられました。

 

 

いかがだったでしょうか?

初回はちょっと55分では終わらないかな、という感じですが(おそらく90〜120分はかかると思います)、

慣れてくれば、サクサク遊べる中量級のゲームです。

定番感のある面白さに、ひとつまみ、ふたつまみのフリーゼ味がトッピングされています。

ぜひ、遊んでみてください!!